◆優しくておかしくてせつない絵本
『ワニばあちゃんの はなの あなには
アリじいちゃんが すんでんのよ(本文抜粋)』
二人はお互いが見えないのだけれど、でも、やっぱりいっしょなの。…そんなお話。
◆おくはらゆめさんのお人柄!?
おくはらゆめさんご本人に絵本を読んでいただく機会に出合えました。
絵本そのもののような暖かい語り口でらして、いっぺんで大好きになっちゃった。
それにしても、こんなお若いお嬢さんから、こんなほっこりと、暖かくて優しくてせつない絵本ができるのかしらと、もしかしたら、おくはらさんは、おばあちゃんなのではないかしらと、お顔をよーく見てしまったくらいです。
でもね、やっぱり、お若いステキな作家さんでいらっしゃいましたよ。
◆保育園から中学校・もちろん大人の方にも
こんな普遍的なテーマ、子どもたちにはどんなふうに届くのだろうって、そのあと、ひと月ほどの間に12回ほど読ませていただきました。
中2クラス・小4・小5クラス・保育園3,4,5才児クラス・そして、0,1,2才さん・イベント等々。
鼻毛で遊ぶアリじいちゃんのおかしさだけじゃなくて、ちゃんとお話の暖かさが小さな子どもたちにも届くのですね。子どもたちはワニばあちゃんが大好きです。
そして、それを見守るおかあさんや先生たちの眼差しもとても柔らかく映ったのが印象的です。
暖かい絵本に出合うと、それを囲む大人たちの視線がとても穏やかになるのをいつも感じます。
◆ワニばあちゃんの絵を描きたい!
5才の女の子が、読み終わってすぐ、ワニばあちゃんの絵を描いてくれました。
テーブルの上のコップには赤い花を一厘いけて…そうです。
どの場面でも、ワニばあちゃんの家のテーブルには一厘の赤い花が飾ってあった。
子どもはわずかな間に、ワニばあちゃんの心使いを、ちゃんと絵から読みとっていくものなのですね。
(2008.11月号掲載)
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