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ちゃんとたべなさい

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小峰書店
ケス・グレイ 文
ニック・シャラット 絵
よしがみきょうた 訳

◆ポップな絵本
『ちゃんと たべなさい』は、デザインがとてもポップ。
見ているだけで楽しくなります。
見返し(表紙をめくった次のページ)もステキ。
かわいらしい緑のドット模様です。
これはデイジーちゃんが嫌いな、おまめの大群なのかもしれませんね。

◆お豆のきらいなデイジーちゃん
デイジーちゃんはおまめが大っ嫌い。
おかあさんは食べてもらおうと必死です。
でも、何があったって嫌なもんはイヤなんだ!おかあさんも実はそれを知っているのか、説得力がいまひとつ。

ああ、デイジーちゃんも日本の食を知っていたら、もっと自然に、おいしい法則をみつけられたかもしれないのにねえ。お味見はおいしい! 

◆◆お味見お味見◆◆
その季節が巡って来ると、手にしたくなる食材がいくつかあります。
わたしの胃袋も食べたい食べたいと言っていますが、わたしの手が、どうです?今年もいっちょやりましょうよと腕まくりするのです。

タケノコもそのひとつ。
娘たちが小さかった春の日にも、タケノコ茹でて、タケノコご飯作りました。
夕方になると娘の機嫌が悪くなるので、三時ころからお夕飯の準備して…。
ご飯の炊き上がったいいにおいがして、うまく炊けたかなと炊飯器覗いていると、
「ちょうだいちょうだい」
娘がわたしのトレーナーの裾を引っぱります。
そこで、小さな小さなおにぎり作って手の平にのっけてあげます。
「おいしい おいしい、お味見 お味見」
娘はその小さなおにぎりを、両手で包むようにして、おいしそうにシャリシャリと食べる。
そこで、わたしは思い出します。そうだ、しらすも買ったんだ。
「今日はパックに入ってるんじゃないよ、お手て出してごらん」
両手を重ね合わせたお皿の上に、魚屋さんの三角形に折った新聞紙の中から、しらす摘んでのっけてあげます。娘はそのまま両手を口に運んで、これもしあわせそうに食べる。
「おいしい おいしい、お味見 お味見」

まったく『お味見』ということばは、なんて優しい響きなんでしょう。
重ね合わせた小さな手のお皿に、出来たてのお料理をちょんとのせてあげる度、お料理したことのしあわせを感じます。
差し出された娘の手の平からは、食べることのしあわせが伝わってきます。

お手てのお皿は、あの春の日を覚えてくれているかしら。
食べることの楽しさを覚えてくれているかしら。

そんな思いも手伝って、店先でタケノコを見かけると、あの麗しのカーブを買ってしまうのです。
(2003年5月掲載)

 

 

 

 

 

 



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