◆『サルビルサ』ってなんでしょ、これ!
大胆な絵の中に、次々に現れる不思議なことば(台詞)。
意味を持たないことばが、読み進めるうちに意味あることばとなっていく。
まるでチンプンカンプンだった外国語がわかるようになるみたいに。
気づいたときには「サルビルサ語」をすっかり駆使し、自分のことばとして操り始める。
「ことば」が「言霊」となる瞬間を捕らえたような本なのです。
難しそう?いやいや、とにかくおもしろい。
◆わが家では
ある晩、母子平和な読み聞かせの最中に、ほろ酔い加減の主人が乱入!
絵本なんて手にしたこともない彼は『サルビルサ』を奪い取ると、フトンに侵入!
嫌がる娘たちを抱きかかえるようにして読み始めた。
ページが進むにつれ、彼は絵本に感情移入!
やがて、ますます声を張り上げ、巧みに声色を変え始めた。そんなの反則だ!
娘たちは身をよじって笑っています。そんなにおかしいか?
いや、彼は絶妙に娘たちのおなかにくすぐり攻撃をかけている。卑怯!
最後に、一声高く「サルビルサ!」と叫ぶと、主人はそのままゴロン、いびきをかいて寝てしまいました!!
いまだに、娘たちはいちばん楽しかった絵本は、『サルビルサ』だったと言います。
(2003年11月掲載)
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