◆声に出したい心地よさ
皆が大好きな絵本です。
声に出して読むと気持ちよくって、繰り返し読みたくなる一冊です。
文章が潔い。
中でも一番好きなのは、
「チキン、パチン、ストン。はなしはおしまい」っていう、最後のことば。
昔話特有のしめの形です。
このことばを聞くと、ちゃんと収まるところに心が収まるのですね。
◆ジャキジャキっていう裁ちばさみの音
母は洋服を作っていました。
お客さんを持って、デザインからお仕立てまで一人でして。
ジャキジャキっていう裁ちばさみの音、
モワッと毛ぼこリが立ち上って、
ガタガタとミシンが家中を唸らせる。
わたしは、そんな音やにおいを体中にしみこませて大きくなったのだろうけれど、
『がらがらどん』を読むとね、そんな母の仕事ぶりを思い出すのです。
どうしてだろ?潔さが似てるのかな?
(2000年6月掲載)
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