◆世界の童話シリーズ
ほかに　
カロリーヌとせかいのたび・カロリーヌのぼうけん・カロリーヌのつきりょこう　

◆友だちのように
活き活きと描かれたカロリーヌとそのおともだち（動物たち）は、まさにわたし自身のおともだちでした。
穴のあくほど読み返し、絵を読み、文字を覚え、指で追い続けたのを覚えています。
自分が知らないだけでワクワクする楽しいことが、世の中にはたくさんあるって、世界って広いんだよ、って幼いわたしに何年かに渡って、教え続けてくれた大事な本です。

現在はわたしが愛した小学館版のカロリーヌちゃんシリーズは絶版中です。

◆BL出版より復刻
フェリシモブックポート復刻企画により、１９９８年にBL出版より、一編ずつのお話となってシリーズ化、復刻
子どものころに慣れ親しんだ迫力のあるカロリーヌちゃんと仲間たちより、どの絵もいささかおとなしく、上品になっているように思います。
（後年プロブスト自身の手で加筆され現在の形に）

◆作者プロブスト
プロブストさんは、今年2007年４月12日パリ郊外の病院で永眠されました。享年９３才。

◆◆カロリーヌちゃんと一緒◆◆
カロリーヌちゃんに出会って数年、わたしはこれ以外の本に興味を持たなかったのです。
この本しか小学校にあがるまで読んでいないの。
それで、母はとても心配してわたしを叔母の家に預け、叔母はわたしを本屋さんに連れていき、何でもいいから本を一冊買ってくれると言いました。

ところが、その本屋さんで、わたしはまだ自分が持っていないカロリーヌちゃんの本に出合ったのです。

もちろん、その本を買ってほしいとお願いしました。
でも、叔母は冷たくこう言ったのです。
「もうカロリーヌちゃんは卒業して違う本をお買いなさい」
子ども心に胸が引き裂かれそうでしたね。
なーんてなーんて冷たい叔母でしょ。
あまりに落胆したわたしの姿に、叔母は、渋々わたしが選んだ一冊と、「カロリーヌのぼうけん」と、両方を買ってくれたのでした。
（２００７年１０月掲載）