◆雨の日に開きたい一冊
キリ・ママおじさんの村には、まだ傘というものがありません。
ある日、街に出たおじさんは初めて傘に出会い、その美しさに魅せられてしまいます。
でもね、せっかく買った傘が…。
◆新しい傘がほしくなっちゃう
スリランカというお国柄でしょうか。
とにかく絵があたたかい。鮮やかな色彩であるのに落ち着いているのね、
見返しもとてもステキです。
おもわず、新しい傘がほしくなりますよ。
とびきり鮮やかな柄の傘がね。
◆◆学校に吸い込まれる傘の花◆◆
うちは小学校のまん前です。5階ですから学校に向かう子どもたちの姿がよく見えるの。
だから、雨ふりの日には、傘の花を見ながら朝ごはんの洗い物。
赤い花三つ、黄色がひとつ、黒スミレの一群が花びら回して水しぶき上げる。
「おまえがかけた」「おまえだってかけた」…なんて、
元気な声が台所にいても響いてきます。
色とりどりの傘の花は、校門に吸い込まれ、ポンポン、と音をたてて、一人ひとりの子どもの姿に戻っていく。
子どもっていうのは、本当に元気なものですね。
雨なんてへいっちゃらな元気な子どもたちに、こんな鮮やかな絵本を読んであげたいな。
(2000年7月掲載)
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