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えほんのこども
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講談社 
荒井良二 さく 
 
 

◆絵本をまるごと
絵本!っていうものを使ってね、自分の思いや、感情や、情熱や、思想や、はたまたおもいつきや、大好きなものや、そんな全てを放り込んじゃった芸術作品が、『えほんのこども』だと思います。

こんなふうに『絵本』というものを荒井良二さんは愛しているんだ!と、わたしは勝手に解釈いたしました。

見返しには、この作品を生み出すラフ?違う!コンセプト?違う!メモ?違う!・・・頭の中?うん、頭の中をメモしたもの!この表現がピッタリ!・・・ワクワクとアドレナリンを分泌している荒井良二さんの頭の中!が使われています。

◆カバーから物語は始まる
本来書店販売時の汚れを防止する役割も持って付けられているカバー(上の写真)もステキでしょ?すでにここから物語りは始まっています。

しかも、カバーをはずすと、もうひとつの表紙!

「えほんのこども」の絵が描かれています。

本来同じものが多いのですが。

カバーとまったく違う絵です。

カバーはずして読みましょうねぇ、なーんて絶対いえない。

◆細部に注がれた愛情?情熱?・・・楽しみ?
本編の紙はなんだろう?

このザラザラ感はなんだろう?

触って触って絵本を感じるんだ。きっと。

しかも、プロフィールも、中付けと呼ばれる、いつ出版してどんな出版社の手によって作られたかという、非常に業務的連絡部分もすべて手書きです!

◆プロフェッショナル
わたしは昨年、NHKのドキュメント(プロフェッショナル)で、この作品つくりの工程を見ましたね。たまたま。

ラフなしでの作品作りがしたい、とスタートした絵本です。

ストーリー作りや、モチーフがあって作品作りが始まるのではなく、手を動かす。

心に浮かぶ(浮かぶんじゃない、手が紡ぎ出す)絵を何枚も描いて、それが最終ステージへ向かううちに、ひとつの作品となっていく。

絵描きさん、という血でものを作る。

そんな感動を受けました。

◆頭じゃなくって手を動かす
そういえば、かつて受けた荒井良二さんのワークショップでも、手をとめないで!考えないで!手を動かして!まとめないで!と何度も言われた。

作品は頭でなくて手がつくるのです、と強くメッセージされたのを思い出します。

じゃあ、後はつなげるだけですか?と言われればもちろん、違います。

心の絵を吐き出し、その過程で、内なる何かが動き出し、ひとつの作品に結ばれていく。

絵本作家にどこかの部分でスイッチが入る・・・あってますかね??

だから、こんなにも一枚一枚が主張して、力強く、けれど、バランスのとれた「ひとつのもの」になっていくでしょう。・・・ね。

一枚一枚(1頁1頁)がエネルギーを持っていて、でも、ひとつの作品となっていく。

これは芸術だなあと思わずにいられません。

それにしても、

「えほんの こども エホン ゴトン/えほんの こども エホンゴトン/

えほんのでんしゃ はしりまーす」(本文抜粋)って、なんだか泣けちゃうよなあ。             

(2009年2月掲載)

 

 

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