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Summer Santa Claus
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  2003年 2月のゆんちゃんみなちゃん
ゆんちゃん14才 みなちゃん12才
 
  部屋改造再び
   

 買物からだんなと帰ってくると、お留守番していたみなちゃんは、
「おかえりィ」
部屋の中から叫ぶばかりで、顔を見せてくれません。
「ただいま」
と、みなちゃんの部屋をノックすると、ドアの隙間から顔だけ出して、
「おかえり!」 ガチャン! 
怪しい!実に怪しい!いやーな予感がするでしょう?
気を取り直して夕飯の準備をしていると、音も立てずにみなちゃんが近寄ってきて、耳元で囁きました。
「ママ、ノコギリ使っていい?」
さすがに、たじろぐわたしを前に、
「っていうか、もう使っちゃったんだけど…」
みなちゃんは薄笑いを浮かべています。
  わたしは本当に血の気が退きました。
『この柱、ない方がスッキリするかなと思って、切ってみたの。ウフン』なーんてこと、平気でしちゃいそうな娘ですからね。
  血相変えて、みなちゃんの部屋に飛んで行くと、木製ラックの足を切っているところでした。夏休みにわたしからぶん取って、黄色く塗り上げたあのラックです。みなちゃんの計算では、足の部分を切り取れば、横向にしてピッタリとクロゼットに収めることができるとのこと。片方の足をノコギリで切り終えたところにわたしたちが戻って来てしまったのだそうです。じゃ、続きは今度!なーんてこと、みなちゃんにできるはずはありません。今すぐやらなきゃ、気がすまない。
「いやあ、ノコギリの音で、気づかれると止められると思って、彫刻刀でもう一本の足は削り取ろうとしたんだけど、ノコギリじゃないと、やっぱりムリ」
さわやかな汗を拭っています。
  主人に怒鳴られ(みなちゃんのお部屋は木くずだらけでしたから)冬の最中、真っ暗なベランダで、それでもノコギリを手にしたみなちゃんは幸せそう。けっきょくその晩、木製ラックは思いどおりに完成し、クロゼットに収納されました。
  だけど、こう言っちゃなんだけど、みなちゃんが、ノコギリ持って、ラックの足切ってた姿は主人そっくり。彼もよく真っ暗くなるまでベランダで木片と格闘しています。そして、木くずだらけで部屋に上がって、家族の非難を浴びている。
わたしは…、柱が無事だったから、後はなんでもいいんだもん。