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Summer Santa Claus
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  2002年 12月のゆんちゃんみなちゃん
ゆんちゃん15才 みなちゃん12才
 
  判断力決断力
   

 十月に首を痛めて寝込んだわたし。少しでも体の負担を軽くするため、起き上がれるようになってからも、しばらくの間、食器洗いはゆんちゃん、みなちゃん、わたしの三人で分担制にしていました。
で、どんな方法で分担するかというと、
「ごちそうさま。では、ジャン ケン ポイ!」
食器を「洗う」「すすぐ」「拭く」の3つの作業の中から、その日やりたいものを、ジャンケンに勝った順に選ぶのです。
  ところが、ジャンケンに強い人、弱い人っていうのはいるもので、みなちゃんは勝ち続け、だいたいいつも「すすぐ人」。
一方ゆんちゃんはこの制度の導入中ほとんど毎晩、黙々とお皿を洗い続けていました。
  さて、喉元過ぎるとなんとやら。あんなに協力的だった二人もこのところ食器洗いをしてくれません。それどころか、テレビ見ながらいつまでもご飯を食べていたりする。
「もう、洗っちゃうからね。あとは自分で洗ってね」
わたしがお皿洗い始めると、あわてて口に詰め込んで、お皿を運んでくる日もしばしばです。
  その日、使っていた食器は大皿、小鉢、ご飯茶碗に、お椀の四つ。みなちゃんはほぼ食べ終わり、大皿の中に何切かのお肉を残すのみとなっていました。
「もう、洗っちゃうからね。あとは自分で洗ってね」
わたしが叫ぶやいなや、みなちゃんは目にもとまらぬすばやさで、大皿の中のお肉をご飯茶碗に移し、ご飯茶碗だけを食卓に残して、ほかのお皿を運んできたのです。
どういうことだと思います!?よい子のみなさんには、想像もつかないこととは思いますが、みなちゃんは後で自分が洗う時に、20センチの大皿洗うより、ご飯茶碗を洗うほうがたやすいと、瞬時に判断したのですね。
「だって、お皿の面積が…ごめんなさい」
モゴモゴ言ってるみなちゃんに、わたしも開いた口がふさがりません。
その日の食卓に上がった全ての食器を「洗う人」「すすぐ人」「拭く人」ついでに「しまう人」の権利まで獲得したのは、みなちゃんでした。