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Summer Santa Claus
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  2001年 5月のゆんちゃんみなちゃん
ゆんちゃん13才 みなちゃん10才
 
  いいこと
   

 このところみなちゃんは、すこぶるご機嫌であります。とってもいいことを思いついちゃったからです。
特許を取ろうかな、とも思います。お金持ちになれそうだから。
『伊東家の食卓』にハガキを書こうかなとも思います。テレビに出られそうだから。
  ある朝、みなちゃんはついに我慢ができなくなって、わたしを呼びました。
「ママ、みなのお部屋にきて。おねえちゃんに内緒でよ」
(お姉ちゃんには内緒!が、今のみなちゃんの流行りです)
わたしが部屋に入ると、きちんと敷かれたお布団の横にみなちゃんが立っていました。
「今からこのおフトンを、あっと言う間にソファに変えます。さあ、あっと言ってください」
わたしが、あっ、と言うと、枕も、掛け布団もそのまんま、みなちゃんはエイ!とばかりにおフトンを二つ折りにしました。それから、二つ折りにした方を壁にペタンとくっつけて、大きなベッドカバーをフトンの上にかけました。
ジャン!どうです、と言わんばかりに鼻の穴を広げて、わたしの顔を見上げます。
「ここからがすごいんだよ。寝るときはもっと早い!」
みなちゃんはベッドカバーをバサッとめくり、二つ折りのフトンを広げて、その中に潜り込んでみせました。
ジャン!どうだ参ったか、とみなちゃんは、腕を腰にあて、肩で息して、わたしを見上げます。
「ねっ、ママ、すごい発明でしょ。これならすぐにお支度できるよ」
みなちゃんはよっぽど、この発明が気に入ったらしくおフトンを敷いたりたたんだり、繰り返しています。
「おねえちゃんには、ぜったい内緒だよ」
念を押され、わたしは部屋を出ましたが・・・、これって、もしや、つまり・・・、台所に戻ったころには、わたしのハテナは確信に替わっていました。あれは、間違いなく『万年床』っていうやつなんじゃない!