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Summer Santa Claus
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  2000年 9月のゆんちゃんみなちゃん
ゆんちゃん13才 みなちゃん9才
 
  チデちゃんのお墓
   

 

七月の終わりに引越しました。
その三日後に、ゆんちゃんみなちゃんが可愛がっていたジャンガリアン・ハムスターのチデちゃんが死んじゃいました。暑かったのか、ストレスかしら?
庭の片隅にお墓を作って、いつもチデちゃんが食べていたエサをたっぷり撒きました。穀物やナッツ類が入ったチデちゃんのエサ。
おばあちゃんはヒマワリの小さな苗を植えました。チデちゃんはヒマワリのタネが大好物だったから、いつでも食べられるように。
そのうち、そこから何やら芽が出てきたのです。エサの中には、種もたくさん入っていたのですね。
さて、そんなある朝リビングに下りていくと、壁一面に造りつけたローボードの上に、みなちゃんがのっかっていました。
ねまきのまんま寝転がって…、出窓から外を眺めてる。
「ママ、見てごらん」
促されるように、窓から覗くと、ちょうど目の前にチデちゃんのお墓が見えました。
その光景をどんなふうに表現したらいいでしょう!
こんもりと盛り上がった土の上に、数本のひまわりと、無数のかいわれたちが、さやさやと揺れています。夏の風がそよぎ、朝の光がこぼれる・・・。窓わくを通して、その景色が切りとられ、まるで額に収まった一枚の絵のように見えたのでした。
「・・・墓参りしてた」
みなちゃんは、足をブラブラさせながら、つぶやきました。つぶやきながら、外の景色をのんびりとみつめ続けました。
いつものわたしだったら、お行儀悪いみなちゃんに、カツを入れるところです。でも、この日は黙っていっしょに見ました。
自分の好きな場所で、自分の楽なかっこで、愛しい者をボンヤリ想う。それも…、お墓参りかもしれないな。猫みたいに丸まったみなちゃんを見ながら、フトそんなことを考えました。