どうです　この富士山！　見えますか？
江ノ島の　そのまた向こうに　どーんと　そびえているでしょう？
ずっとずっと昔から、
弁天小僧菊の介が　
江ノ島に流されていた　そのまたもっと昔から、
この景色は　あまり　かわっていないのかも　しれません。
今はもう　いるはずもない　数多の人が
同じように　この景色眺め　力をもらっていたのかもしれません。
七里ガ浜からのぞむ海・・・江ノ島の
そのまた向こうに・・・そびえる富士山。

そんなフウに考えると　人間ちゅうもんが　愛おしく思える。
・・・ねえ、ゆんちゃんも　その一人よ。　

「さぁ、おうちに帰るよ。飴ちゃん　持った？」
とんがりぼうしの　おっちゃんが　ゆんちゃんに声かける。
・・・「じゃ、また　おうちでね」
とんがりぼうしの　おっちゃんは　わたしに手をふって　チャリに乗る。
じゃね、と　電車で帰る　わたし。

このお別れは　毎年なぜか　せつない。